捨てられ朽ちて行く運命に気付くことなく 主人の迎えをただ待ち続ける(かのような)自転車

イノセンス

主の帰りを疑うこともなく自転車は待ち続けていた。かなり錆が浮いているのに朽ちた印象がない。真っ直ぐに立った姿は誇らしげでさえある。信じ続けられる限り幸せは続く。たとえそれが夢だとしても、夢がある限り。どこか羨ましさを感じながらシャッターを切り続けた。

撮影データ

2005年9月17日 深堀町 緑園通にて
NIKON D70 1/80秒 F5.6 焦点距離108mm(35mmカメラ換算) 絞り優先 ISO200 露出+0.3