一期一絵(Onceshot in Life-time)#361 轟音を立てこちらへ向かってくる74式中戦車 陸上自衛隊函館駐屯地創立58周年記念祭における戦車体験試乗会での一コマ 2008年9月7日撮影

戦車は意外と速く走る

空き地や草むらが、コンビニ以上にそこら辺に転がっていた頃、私の通う小学校では、機銃掃射の音とヘリの轟音はわりと日常の一コマであり、戦車や火器に何度か触れる機会も少なからずあったのだが、実際に戦車が走っている姿というやつは、どういうわけか記憶にない。TVや映画に出てくる戦車というのはどちらかと言えば鈍重な「やられ役」が多く、主役が登場するまでの、せいぜい良くて前菜のサラダ程度の扱いでしかなかった。だから、ルパン三世TVシリーズ最終話「さらば愛しきルパン」に登場する戦車の敏捷さ(の表現)は本当に目からウロコだった。実際、最新戦車のフットワークは、呆れかえるほど凄い。今や二世代前となってしまった74式中戦車だが、外見から想像出来ない軽快な走りっぷりは今も健在である。子どもの頃、兵器に感じていたイノセンスな「親しみ」や「憧れ」からは解放されたが、人の意志が生み出したチカラとチカラの行使には、恐れと同量の、あるいはそれ以上の高揚感を感じる自分を、肯定もしないが否定もできない。とまあ、この辺にしておこう。なお、今回のタイトルは上野樹里主演の某ムービーに「インスパイア」されたものである。よく似ているかも知れないが、それは偶然というもの。こっちは戦車だ。あっちは亀である。

撮影データ

2008年9月7日 函館市広野町 陸上自衛隊第11旅団函館駐屯地 MAP創立58周年記念祭
NIKON D70s 焦点距離450mm(35mmフィルム換算) 1/320 F6.3 露出補正+0.33