胡蝶の夢

なぜこんな場所で、雨に打たれて寝ているのだろうか。しかも、雨に打たれているはずなのに不思議と気持良くて。それよりも眠たくて眠たくて、なんだかどうでも良くなってくる。これはきっと夢だ。この瞼が閉じてしまえば、次の瞬間、きっといつもの朝がやって来る──という夢を、ほんの数秒だと思うが、私は実際に見たことがある。ただし、朝はやって来なかった。その代わり救急車がやって来て病院に担ぎ込まれたのも、今では良い思い出かも知れない。あれから7年半、幸いなことに、何事もなく毎日朝がやって来る──という夢を、本当は今も見続けているだけなのかも知れない。

撮影データ

2008年11月2日 函館市港町 MAP
NIKON D300 焦点距離75mm(35mmフィルム換算) 1/1000 F2.8