#11 ふたたび静寂が ゆっくりとあたりを包み始める

なぜかフィナーレの”ボラーレ”。イタリア語で「飛ぶ」だが、意訳すれば「飛翔」だろうか。どうやって飛ぶか分からないけれど、目指すのは「明日−未来」だろう。アンコールが始まったステージを離れ、一足先に”祭の後”の余韻 に浸る。ベンチに置き去りのペットボトルは、去りゆく季節の名残りか資源回収ゴミか。涼しいとはいえない夜だが、間もなくあたりを満たすだろう静寂に夏の終わりを重ねる。気が付くと、先ほどまでの彼(彼女)の姿もなかった。

撮影データ

2004年8月17日 函館市芸術ホール オリンパスC3030Z 1/2秒 F2.8 ISO200