やっぱり日本人なら縦でしょう
2004年3月28日 サムスン液晶モニタSM-173T試用レポート

「いいモニタですよ。」人に薦めておきながら自分が一番驚いた。出来の良い液晶パネルが縦になる時、いったい何が起きるのか? 知らなかったじゃ済まされない、それは未曾有の衝撃でした。

目からウロコの縦画面というか なんでこれもっと普及しないのよ?

サムスン液晶モニタSM-173T【実際に撮影した画像と本体を合体】
早い話合成っていうやつですけど、実際このくらいで映るんですって

■04年3月X日 そいつがやって来た

T氏のオーダーの品、17インチ液晶モニタが到着した。発注後翌々朝の到着とは相変わらず素早いなサムスン。早速修理完了したT氏のPCにつないで見る。おお綺麗!と思ったもののフツーの横長画面では私の172Tとなんら変わるところもない、つーか同じパネルだから当たり前というか、なにをいまさらというか。ところがである、ピボットソフトをインストールしてパネルをグリッと回してみると・・・ おおっ!これは!

■いいんじゃない? いやすごくいい!

左の画像を見ていただければ多少はその時の感動が伝わるのではなかろうか?これは実際の画面をデジカメで撮影したものである。(良く見ると画面右下に言語バーが見える。位置が中途半端なのは横長画面に合わせてあるため)これは縦1280・横1024ピクセルの画像である。つまり横幅はXGA・15インチモニタのそれである。その状態を想像していただきたい。

縦で撮った写真が活き活きと 活きまくりのいきまくり

いやあ心の底から感動しましたね。大げさに言えば「目の前に実物の花がある」ような。大げさだな。でもリアリティという言葉がズシリと来ましたよマジで。 ディテイル、階調性、発色の良さ、そして何よりそれらが画面の隅々まで均一なこと。 普通の横長(4:3)パネルでこのような縦長画像を表示したところで、左右余白だらけの実にチンマリとしたおよそ迫力に欠けるもので、プリントでもしなければ鑑賞には到底堪えかねるものだ。まあそれは当然のことなんですが、それがどうだこの迫力。これならインク代も浮くというもの。「浮くのはあなたのインク代じゃないのよ」心の中で誰か(声:林原めぐみ)がつっこみを入れてくれやがるのは無視するとして。久々の感動機器をタダで使えたんだからね(T氏自宅方向に礼)それにしてもこれ程圧倒的な表現力を見せ付けられたら買うしかないだろうなぁというか買うのが当然に思えてしまう。

サムスン液晶モニタSM-173T【横長状態パネル最下位置】
あと数cmほど下がって欲しいところだ

サムスン液晶モニタSM-173T【縦長状態の端子部 】
各端子と電源SWがパネル背面に集中

基本性能の高さがあってこその縦表示

【視野角: 縦170°横170°】

ギミックに目を奪われがちだが、それもカタログに偽り無しの視野角あってのこと。縦だろうが横だろうがドンと来いである。ほとんど真横・真上から見ても見えちゃう液晶ってマル秘な作業には絶対向かない。でもそれだからこそ作れた回転パネルでしょう。視野角をスペック上凌駕・匹敵する他社製品もあるが、正直「見てガッカリ」ばかりだった。サムスン以外に納得できるのはナナオ製くらいだろうか。それでも視野角では負けていた。むろん値段を考えると止むを得ない部分もあるし、視野角にこだわる必要が無いことだってあるから、失望するのは私の勝手に過ぎないんだろうが、それでもあえて言う。パネルが横だろうが縦だろうが体が斜めだろうがねじれていようが離れて見ようが鼻先で見ようが目がウツロだろうが根性が曲がっていようが、画面の隅々同じ階調発色コントラストで見え過ぎちゃって困るくらいの液晶モニタを私は他に知らない(単に知らないだけだったりして)。パネルが大きければ大きいほど視点移動すなわち視野角も大きくなる。画面の左隅から右隅まで眼球の動きだけで追従できるパネルがどれほど見やすく長時間にわたる作業で疲れにくくかつ能率的か、知ってる人は知っているというか普通そういう人は液晶モニタ使わないだろって。そうなんですか?

そりゃ人間だれだって多少の欠点はあるもの

そんな人間が作るものだから、その創造物に欠点があるのは当然のことで問題はその多少ですね。というわけで努めて冷えた頭でこいつのウィークポイントをまとめてみると。

その1 パネルを最低高に調節してもまだ数cm高い。
その2 パネルを縦にすると配線が横に剥き出しとなる。
その3 縦横表示切替の操作がちょっと分かりづらい自動切換であれば申し分なし)
その4 縦表示の際、アプリケーションによっては画面に「ゴミ」が出ることがある。
その5 ボディは銀色か黒が良い・・・大したことじゃないと言えば言えるが。

以上、私が感じた欠点だが、ほとんどが慣れでカバー出来る部分でもあり、実際の使用でもさほど不便を感じることはなかった。ただ、私はきっぱりと銀色マニアであるからして、一番たいしたことじゃないその5が実は一番気になったりするのだが、まあこれはほっといていただきたい。なお、その2であるが、本機はスタンド内に一切の電気回路を持っていない。全ての機構はパネル部に収まっており台座は単なるプラスチックに過ぎない。これはスタンドアームなどでの使用を強く意識したものであり、その限りにおいては欠点とは言えないことを補足しておきましょう念のため。

(2004年3月28日 加筆修正:2007年12月23日)